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アントシアニンとブルーベリー

ブルーベリー比較／口コミ人気ランキングが提供するアントシアニンとブルーベリー。今回は「サツマイモとアントシアニン」です。

サツマイモとアントシアニン

サツマイモはヒルガオ科に属する塊根植物で、中米メキシコ南部が原産とされています。

日本への伝来は、１５９７（慶長２）年に宮古島の頭役・長真氏砂川旨屋（平良市西仲宗根の保里峰にイモ神様として祀られている）が中国福建省からいも蔓を持ち帰えり、琉球（沖縄）に伝えたとされます。

また、１６０５（慶長１０）年に野国総管が中国から琉球にサツマイモを伝えたとする説もありますが、この野国と儀間真常は、琉球での普及という文化史上重要な人物として挙げられます。

日本本土への伝来は琉球から奄美諸島や吐喝喇列島、大隅半島を経て伝わったとされていますが、伝えた人物や時期については薩摩・大隅の領主島津氏の家臣・種子島久基（１６９７）、イギリス人ウィリアム・アダムズ（三浦按針、１５６４〜１６２０）、薩摩国山川村の前田利右衛門（１６７０〜１７０７）、伊予国大三島の下見吉十郎（１７１３）など諸説があって判断できません。

記録では、イギリス平戸商館長リチャード・コックスの１６１５（元和元）年の日誌に沖縄から長崎に伝えられたとの記述が見られます。

いずれにしても沖縄や南西諸島では普及が早く、奄美大島では沖縄にサツマイモを伝えられたとされる１６０５年から２８年後には、すでに主食的地位になるまでに普及しています。

しかし、コメが産業経済の中心であった本土での普及は江戸時代中期以降となります。

江戸中期以降、たび重なる冷夏などの異常気象に加え、１７０７（宝永４）年の富士山宝永火口からの大噴火、さらに１７８３（天明３）年には浅間山が噴煙が成層圏にまで達するほどの大噴火を起こすなど、火山災害も相次ぎました。

この時の浅間山の噴火は「鎌原火砕流・鬼押し出し溶岩流」で有名ですが、世界的にはほぼ同時にアイスランドのラキ火山が大噴火を起こし、この２つの火山の噴煙が日照を遮るアンブレラ効果をもたらし、世界的な冷夏と作物の不作を引き起こしています。

ヨーロッパではこの冷夏が引き金となってフランス革命が起こったとされます。

このような状況の下で、江戸時代はコメの凶作による飢餓が絶えませんでした。

繰り返される飢饉のなか、山陰では１７３２（享保１７）年に石見国（島根県）大森の代官・井戸正朋が、私財を投じて薩摩から種イモを入手し飢饉用にサツマイモの栽培を試みています。

しかし、成果の判明しないうちに享保の大飢饉（１７３３）が起こり、井戸は独断で代官所の米蔵を開き領民を救いましたが、この責任をとらされ代官を罷免された後、切腹しています。

井戸が代官所を去るとき、領民が土下座して泣いて見送ったと伝えられ、当地には井戸を祀った井戸神社が建てられています。

井戸の切腹した翌年、関東では江戸南町奉行・大岡越前守忠相が、サツマイモ栽培の奨励を行っていた肥前大村藩主大村河内守純富にサツマイモを請い、翌１７３５（享保２０）年に大岡は八代将軍吉宗に、サツマイモの効能、作り方、食べ方を記述した「蕃藷考」を著した市井の儒学者・青木文蔵敦書（号：昆陽）を推挙しました。

吉宗は度重なる全国的な大飢饉による社会不安の対策として、昆陽を薩摩芋御用掛りに任命し、小石川御薬園内にサツマイモを栽培することを命じました。

これが全国へとサツマイモを広めるきっかけとなりました。

飢饉用として普及したサツマイモですが、その需要は１９６５（昭和４０）年頃を境として激減しました。

これは、米国産トウモロコシが大量に輸入されるようになり、デンプン原料用の生産が落ち込んだことによります。

デンプン原料用としては今後も減少傾向をたどるでしょうが、サツマイモは単位収量とデンプン含量、さらには単位面積当たりのエネルギー生産力が優れていることから、生産についての再考が必要です。

今日の食生活は多様化しグルメ志向が進んでくると、より付加価値のあるサツマイモづくりが必要になってきます。

最も需要拡大が期待される特性をもつサツマイモは、β−アミラーゼ活性が低く甘くならない品種、クロロゲン酸などのポリフェノール含量が低く黒変しない品種、ワインやビールなど新加工製品向け原料用のイモ、フレンチフライやチップス（スナック食品）、フレークやグラニュール（成型加工用）、コロッケの素材などの加工食品用の品種、さらにカロテンやアントシアニンなどの機能性色素を含む品種などだと思われます。

参考になさってください。

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